OVERVIEW
(1935年〜1976年)
昭和10年(1935年)10月、創業者・伊藤信治郎が本家「材尚工務店」より独立、建築業「材信伊藤工務店」を開業しました。この時、信治郎は若干30歳。現場管理者として職人たちと現場に携わり、仕事の要領を覚えていきました。その後、大工職の真似事から請負師へと転身を図ります。
昭和37年(1962年)の1月には、現在の本社所在地である長浜市三ツ矢町(現在地名)に「株式会社材信工務店」を設立。初代代表取締役社長として信治郎が就任します。
特に、変木(へんぼく)※の使い方に関心を寄せた信治郎は、「和室床周り」にこだわりを発揮し、料理旅館の離れ座敷の「床・庇周り」(5部屋:現在はなし)は、各部屋が変木を使った仕上げにて「意匠」「技術」(施工)とも自慢の作品でした。
※変木とは、正形をした木材でなく、変形をした自然木で使い方に一工夫が必要。主にお茶室などで利用されます。
その後、信治郎は「利は元にあり」を商売の原則とし、良い品物を、安く買い叩くのではなく、品物に対する価値を正しく評価し、適正な取引をすることが、ひいては利益にもつながると、目利きの腕を磨きました。同時に「製材機」を購入し、原木を裁断加工することでコストを下げることで他社との差別化を図っています。
昭和34年(1959年)3月、株式会社材信工務店一級建築士事務所を設立。
「請負の花形」は何と言っても「大規模建築物」の施工。「公共建築物」への挑戦とし新設小学校て「長浜北小学校」を受注。戦後の資材不足の中、近隣(醒ヶ井・今須)や三重まで資材仕入れに回り「原木」を確保、採伐加工を行って「利」と資材不足を補い見事完成。現在の「材信工務店」の「基礎」を築きました。
そして、昭和47年(1972年)7月、株式会社材信ハウジング(ナショナル住宅代理店)を設立し、個人住宅の設計・施工も手がけるようになります。
(1977年〜1994年)
昭和52年(1977年)9月に、代表取締役社長に信治郎の長男である2代目・伊藤尚治が就任しました。
建築の工法が進化するにつれて「鉄筋コンクリート造」や「鉄骨造」の建築物が増加するようになりました。特に官公庁・民間法人の設備投資も高度成長に支えられ「木造」のみならず多種の構造物が現れてくるようになります。
複雑化の一方で規制も厳しくなり「建築法規」や「意匠」「構造」「施工」と言った具合に細分化され、これらの情報、変化に対応してゆくことが「建設業」に要求され始めます。経験だけでなく「知識と技術」が必要な時代へと移り変わっていきます。この頃から「総合建設業」(ゼネコン)としての対応に向かっていきました。
滋賀県の湖北地域で「鉄筋コンクリート造」の建築物を最初に施工したのは当社でした。「総合建設業」としての実績が広まるにつれて、「住宅」の需要が減少。また、「住宅」自身も「工業化住宅」としての「プレハブ」化が進み、「匠」が必要とされる機会はどんどん少なくなっていきます。
けれども、「住宅」への志向は止まず、関連会社を設立して「プレハブ化」や「戸立て住宅」への対応を志向します。1981年(昭和56年) 6月には、不動産・宅地開発事業を引き受ける「株式会社大尚」を設立、1989年(平成元年)10月には「株式会社リブ」を設立。アイフルホームF・Cに加盟しました。その翌年3月には、「株式会社イトウ」を設立、ホテル・不動産・娯楽事業をも手がけるようになりました。
この時代に施工した主な物件として、「長浜小学校」や、「長浜城」の復元工事などがあげられます。
(1995年〜現在)
1995年(平成7年)10月、3代目として代表取締役社長に、創業者・伊藤信治郎の次男・伊藤正基が就任。2ヶ月後に、新本社ビルが竣工しました。
この頃、個人顧客を対象とした請負業へとシフト、リフォームの需要の高まりを受け、1999年(平成11年)4月、リファイン事業部を開設し、リフォーム部門を立ち上げました。
2002年には、夢プロジェクト事業部を開設。他社との差別化を図ろうと、当社しか出来ない工法・設備を発掘、技術の習得を測りつつ、「意匠設計」(デザイン)による顧客満足度のアップを目指しました。構造設計の第一人者「アラン・バーデン」を始めとする多くの建築家とコラボレーションを開始したのもこの頃でした。
最近の、建築家による設計、古民家再生作品の代表作としては、「北国街道の宿 紗蔵」「日本料理 ふじ石亭」、グッドデザイン賞を受賞した建築家とのコラボ「2FIG international」があります。
そして、材信ブランドの向上を目指し、「NoveWorks(ノブワークス)材信工務店」に2002年11月に呼称を変更します。翌年、株式会社材信工務店と株式会社リブを再編・統合(合併)し、住宅部門を一本化しました。
2006年4月には、住宅部北店、南店を設立。滋賀県内のエリアを二つに分け、どちらのエリアでも迅速に、そして柔軟に対応できる体制を整えました。
その後、「ICASの家」「地熱の家 ジオパワーシステム」「ミラクル工法」など、新世代の技術を積極的に採り入れ、時代のニーズ(環境配慮住宅、健康住宅など)、世代毎のニーズに素早く応えられるよう多彩な商品を揃えます。また、移動型モデルハウスによって新商品を一カ所に限らず、地域を変えて提案できる手法を確立しました。
特に環境問題に関しては、産業廃棄物を減らすための努力は、時代が早急に必要としているものでもあり、エコアクション、チームマイナス6%に参加し、活動を始めます。